工場設備メンテナンスにおける温度測定について
接触式温度計で対応できない部分への非接触式放射温度計での工場設備のメンテナンスについて
スイッチ、フューズ、モーターや電気的接続の欠陥を検知することは肉眼ではほとんど不可能に近い作業です。しかし通常、電気装置に異常が生じるとすぐに温度が上昇する事がわかっています。ポータブルタイプの熱画像放射温度計を補うものとして、欠陥部の感知に高精度のポータブルタイプの放射温度計の使用が増加しています。設置式放射温度計は主に工場で測温抵抗体、熱電対などの接触式温度計での温度測定が難しい、もしくは不可能な電気部品、機械部品の温度測定に使用されます。
工場におけるポータブルタイプの高精度放射温度計の予防的保守点検への使用について
温度測定において取り上げられる重大な側面として、光学技術である放射温度計が実際に過熱部分を適切に感知できるかどうかということがあります。低価格でどこでも入手できる様な放射温度計の光学的分解能は乏しく、そのような放射温度計の照準線は実際の測定スポットのサイズを示しません。その結果、過熱された対象物の温度を測定しても実際の温度より低く表示されてしまいます。またもし、小さい電子部品が過負荷で過熱された状態にあったとしても、測定スポット径が大きすぎると少しの温度上昇しか表示せず、潜在的に危険な状況にあっても検知されることはありません。
オプトリス製レーザーサイトLSの新しい2レンズ式高精度光学モデルは微小対象物の温度測定を可能にします。フォーカスモードに変えることで1mmまで正確に温度測定が可能になります。放射温度計から62mmの位置で交差する二つのレーザーによって測定位置が決められます。現在のところ、市場には長距離温度測定用に設計されたものか、非常に小さい対象物の温度測定用に設計されたものしかなく、お客様はいくつかの放射温度計を購入するか、光学レンズを換えるしかありません。しかしこの製品はオールインワンタイプの放射温度計ですので、微小対象物の温度測定と通常の温度測定でスイッチを変えるだけで切り替えが出来ます。
工場における設置式放射温度計での常時温度監視について
設置式放射温度計は特に多機能性を最大限に生かすために設計され、例えば、船上電気系統のボルトの緩みなどを監視するために使用されます。母線と電源ブレーカーとの接続の欠陥は接触抵抗の増加を導き、欠陥部での過熱の原因となります。
設置式放射温度計はそのような沢山ある重要箇所の監視用として、経済的に実現可能な解決策となります。もし温度が設定された限界値を超えるとアラーム信号がコントローラーに発信されます。それにより過熱された状況が素早く、確実に検知され、1秒以下という非常に短い応答時間で電気的システムが即座に停止します。
オプトリスCSは-40~1030℃の温度範囲を測定でき、ヘッドの寸法はφ12mm×87mmという大きさで、小さい空間にも設置可能で、設置上限温度は80℃です。この放射温度計は価格も経済的で、かつ丈夫で機械的に優れた性能と高精度の温度測定機能を持ち合わせています。
この放射温度計は厳しい工業環境への配置ととても優れた電磁適合性を実現する為に設計されてきました。その特徴として、拡張可能なアナログ出力(0~10Vもしくは0~5V)と短絡回路と逆極性に対しての保護、優れた照準器などが挙げられます。
上記の特徴を持つ放射温度計を設置した中電圧スイッチギヤはもはや日頃の接触箇所の追加的な検査を必要としません。この事は設備の保護を高め、メンテナンス費用を減少させ、また、従業員の健康と安全を確実なものにします。